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この幻想的な光景を、現実的な理由から見ていきたいとは。だがその気持ちも分かる。
立派なクリスマスツリーだ。10メートルはあろうかという楠の木。幾つもの飾りがつけられ、なんとも華やかだ。
「綺麗・・・・・」
そううっとりと、彼女は呟く。君の方がずっと綺麗さ。恥ずかしくて言えないけどね。
「クリスマスってね。イエス・キリストの誕生日なのは知ってるでしょう?」
「うん」
「でもね、実際はちゃんとした誕生日は記されていないの。分かるのは彼が馬小屋の中で生を受けたということだけ。なのに誕生日は決められ、祝われる。どうしてだと思う?」
今日は唐突な質問の多い日だ。けど彼女からの問いかけに真摯に答えるのが、僕の役目。
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