アイアンバイブル

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会話をしながらもう一度、空を見上げた。満天の夜空。白銀の雪。煌々と輝く星々。 仮に世界が滅ぶとして、地上の全てがリセットされたとして。 けどこの空は、永遠に残るのではないだろうか。 人は空を見上げる。そこに星があるから。その動きで人は自らの星の自転に気付き、また季節や時間の流れの法則を見出だした。 それは人類が生きていく上で繰り返される無限なんじゃないだろうか。 僕は想像した。この世界が宇宙人の侵略であれ、ノアの大洪水であれ、滅ぼうとした時。 姉さんがリンゴの樹を植えて、その根本にアイアンバイブルを残す姿を。それが次の世界に残るかどうかは分からない。
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