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ワームビーストの体を
赤い光が纏いはじめた。
アキラへの警戒か、
スキルでの攻撃をチャージしているのだ。
「貴様ごときが逃げずに俺とやり合おうというのか。俺の目前で人を殺めたこと、後悔させてやる。」
アキラの体にも青い光が灯り初めた。
左右の手にある短剣を構える。
「ん??」
アキラの腰あたりに何かが触れた。
「俺さ。本当に怒ったよ。」
ソラの手だ。
「危ないから下がっていろ。」
アキラはビーストワームを警戒しつつ
ソラを後ろへと追いやろうとした。
「だぁからあ!」
ソラが急遽あげた大声にアキラは動きを止め、そしてソラの形相を見た。そして唾を飲み込んだ。
「俺は本当に怒ったんだよぉ!」
まるで鬼の形相。そして何より、ソラの体の回りを深い赤色の光が纏っていた。
なんだ…この少年。先ほどとはまるで別人だ。それに、このライトエフェクト…。見たことのない色合い。なんと禍々しい。
アキラの頬を汗が滑り落ちたと
同時にワームビーストが勢い良く
迫り寄った。
しまったッ。
ソラに気を取られていたアキラが
意識を再びワームビーストへ戻し
短剣を構えた。
その瞬間ー…。
「散れぇ糞虫がぁ!!」
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