第5話 孤高の攻略者

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「カイトやギンにも内緒にしてたんだ。前にレベルが上がったときに覚えたんだけど上手く使えなかったから。回りも全部溶かしちゃうし、自分も倒れちゃうし…間違えると大変な魔法だって思って。」 「それで今まで使わなかったのか。まるでチート並みのスゴワザだがな…。」 アキラの顔はさらに強張った。 危険なものを見るような目線。 ソラにでもそれくらいは分かる。 けれど、それはどうでも良いと思えた。 「もっと…はやく上達して、使いこなせてれば…。二人とも…まも…れた…。くっ…うぅ…」 今は何よりも二人がいなくなってしまったことが悲しい。涙がまた溢れ出た。 アキラの表情は緊張を失い、悲壮的なものへとなった。 「お前は…悪くない…。」 ワームビーストの姿はついに姿を消し、そこに金色に輝く宝箱が現れた。 レアドロップか…。 「ソラといったな。お前が受けとれ。」 「でも…でも俺何か…ヒック…」 「あの二人のが残してくれたものだ。」 「あ…」 アキラのその言葉に ソラの涙は停止した。 前へゆっくりと進み、宝箱に手を伸ばす。 宝箱は輝きを放ち姿を消した。 残ったものは金色に輝く片手剣。 【エクスカリバー】Sランク 伝説の剣。あらゆるものを一刀両断する。それが何であろうと切っ先の通り道への妨げはすることが出来ない。ゲーム内で唯一の剣で複製、生産、売買不可。レアドロップ1/1000000の確率でランダムに出現する。
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