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「エクスカリバー…伝説の剣を引き当てたか…。」
アキラは、やれやれといった様子でソラを見つめた。
ソラはその剣の輝きに見とれていた。
そしてその剣を右手でしっかりと握り天へ掲げた。
「アキラさん。あの二人が残してくれたこの剣と、この命。俺、無駄にはしたくないんだ。俺、前線にいくよ。誰よりも強くなって皆を護るんだ。」
「分かっているのか…ソラ。険しく危険な道だ。泣いている暇なんてないぞ。」
ソラはアキラに剣の切っ先を向けて全力の笑顔を見せた。
「分かってるけど、俺一人だからさ!面倒見てよっ!」
「なっ…俺はソロだぞ!」
クールな内面のアキラだが動揺の連発だ。
「俺もソロでいい!」
「それは、どういうことだ?」
「ソロとソロが、あくまでもソロとして一緒に居るっていう感じだよ!」
はぁ…とアキラはため息をつくと、笑顔をソラへと返した。
「なんでもかんでも溶かされちゃ構わないからな。しばらくだけ、面倒みてやる。」
「アキラさん…。本当にありがとね。カイト、ギン…。行ってきます。」
以降、この洞窟の前には
二つの花束が絶えずに添えられることとなる。
そして、町中には【勇者】と【悪魔】の出現がにわかに噂されるようになり、攻略組に実力を隠したソロプレイヤー二人が加わることとなる。
第5話 -完-
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