第1話 白銀の白虎

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「いやいや、お前はすごいよ。 俺は何回やっても回復錠だ。」 相葉が頬杖をつきながら 着席しているのは 丸い二人掛けのダイニングテーブルだ。 そこに氷の入ったカフェラテを ワイズが2つ運び並べる。 「たまたまだ!まぁ本当、 宿代が浮いて大助かりだが お蔭でクエストサボっちまって レベルがちっとも上がんねぇ有り様だ!」 そう言いながらワイズも ダイニングテーブルに着席し 2人ともカフェラテを 飲みながらくつろぐ。 「実力のうちさ。それに安全が一番だ。 お前はお前の家にいればいい。 俺も助かってるしな。」 ゲームが始まって1ヶ月が経ったが 救済の措置は何も行われていない。 プレイヤー達のほとんどが 安全な生活をしながら 気長に待つことを選んだ。 だがしかし腹は減るし喉も渇く。 宿代も必要なわけで 金を稼がなければならない。 必要最低限のお金稼ぎに モンスターとの戦闘は避けられない。 収穫クエストであっても モンスターと遭遇すれば 戦闘になる。 それに怯えホームレスの様な 生活をするプレイヤーが近日、 増えてきているという。 またそれとは逆に ここでの生活にも慣れ ギャンブルなどの 娯楽に没頭するプレイヤーも 増えてきているという噂だ。 相葉達が話題としているのは ギャンブルの話ではなく クエストの話である。
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