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相葉が向かった先は
フオラトの中心部にある
白い木で出来た町のシンボル、
【白木の棟】の前である。
その前に立つ
一見、黒魔道師のような
黒ずくめのNPCに話かける。
「アイゼンフォールまで…」
すると相葉は
青白い光に包まれ姿を消した。
いつも転送中には思わず
目を閉じてしまう。
瞳を開け、辺りを見渡すと
周囲には鉄板で作られた
建造物が立ち並ぶ。
第2線 【アイゼンフォール】
この町は第2線の中でも
難易度の高いクエストが
多く出回っている。
噂によると第3線の
解放クエストが発生するとも
言われている町だ。
アイゼンフォールというだけあって
床をも含めて鉄板で作られている
この町にはプレイヤーは見当たらず
異様な雰囲気を放っている。
相葉は目的の建造物までと
スタスタ進み、扉の取手に手をかけ
一息ついてから扉を開いた。
「おー相葉っちー!
ちょっと遅いよー!」
室内にはバーカウンターと
四人掛けのソファー席が設置され
薄暗い照明が怪しげな雰囲気を
演出している。
ソファーであぐらをかく
金髪のツインテールの女が
手を振って話かけるのに対し
相葉は無愛想な返事を返す。
「何度きても慣れない町ですよ。」
金髪ツインテールの女の横に
あぐらをかく男がもう1人、
相葉に顔を向け話かける。
「わりぃなあ…わざわざ
こんなとこまで…」
割と長めの金髪に
襟足だけが銀髪という、
その男もまた派手な髪色をしている。
その男の視線から相葉は
思わず目を反らす。
「話って……
なんですか…?
IRIHOさん……」
その問に派手な髪色の男、
IRIHOは手を前に出し
人差し指を手前に
何度か引く。
「いいからこっち座れよ…」
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