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一方、フオラトは
アイゼンフォールに比べ
プレイヤーで賑わっていた。
ワイズは相葉の外出後、
一際賑わうNPCショップの通りを
1人訪れていた。
が行き交うプレイヤーの多さに驚き、
傍観していた。
「さすがにウエルシアだけじゃ
もの足りねぇってことか…」
プレイヤーホームが
あると言えど生活費は
かかってしまう。
ワイズは安全かつ、効率的な
クエストがないか探索していた。
行き交う人々の数から推測し
フオレトを拠点にする
プレイヤーが
増えてきていることに気付く。
「すみません…」
安全エリアでの待機が
得策でありながらも
始まりの都から
フオラトまで足を伸ばす
プレイヤーが多いということは
問題である。
「すみません。」
ワイズ自身も生活費の為に
仕方なくクエストを
受注してはいるが
最近ではレベリングの為の
クエスト受注も検討している。
ゲームの中では
学歴や勤め先の企業ブランドなど
関係ない。
ステータスが全てであるなら
男として強くありたいものだ。
「すみませーん!」
「……俺か?」
振り向くと
ワイズより少し年下くらいの女
1人立っていた。
「そう!アナタ!」
女の子というより女性。
可愛いというよりも綺麗。
赤みがかったブロンドの髪は
後ろで結わえられ
前髪は7対3で分けられている。
少しつり上がった目は
大きくその瞳もとても大きい。
身長もおそらく160センチを
少し上回るほどであろう。
スラリとした体には
黒い長袖のワンピースに
レザーのブーツを着用している。
その様はなんとも
凛々しく可憐で
ワイズの理想の女性像である。
NPCか疑いたくなるほどの
綺麗さにワイズは一時停止した。
「アナタ、ワイズさんでしょ?
プレイヤーホーム持ってる。」
【伝説の鬼引き屋・ワイズ】
という
システム外の称号を得ていたことを
ワイズ本人も知っていた。
プレイヤーホームを早々に
手に入れたワイズの名は
フオラトで有名になっているのだ。
その為、町で声を
かけられることは多々あったが
ワイズの一時停止は
30秒ほどにも及んだ。
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