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俺も従兄弟に教わらなきゃ乗れないままだったろう。
まぁ、必要ない生活を送って居るから、乗れなくても問題ないけど。
そう言えば。
「柊人、この自転車誰の?」
校内って自転車乗っても良いのかな?
「カ…シマ…先輩?」
うろ覚えなのは、柊人が人の名前をなかなか覚えないからだけど、意外と直ぐに出て来た。
カシマって。
「風紀の鹿島先輩?」
説明会での飄々としたイメージが浮かぶ。
「そう。中等部の寮監に届け物するなら使って良いって」
「ふーん」
風紀委員の先輩の持ち物なら、違反じゃないんだろう。
余談だけど、鹿島先輩も含めて風紀委員や、高等部の生徒会役員の人達とは中等部時代に全く接点が無い。それ以外の先輩も、無いに等しい。
ほとんど、同じ学年の生徒の人間としか関わらなかったし、中等部の生徒会でお世話になった先輩は別の高校に進んでしまっている。
幼稚舎から数えると十数年経つのに、事あるごとに、交流会的なイベントは全部弟達に構うばかりで、他に意識が行かなかった。
俺って学園の特色である縦の繋がりを無視し過ぎだろうか。
ま、いいか。
これまで、不自由無かったし。
不都合が有れば、今から接点を増やすだけだし。
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