4月@それで高等部寮へ入寮

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中等部の寮監さんはね。 皆に平等に優しくて、頼れるお兄さんだ。俺も嫌いじゃない。 ちゃんと大人だから、中学生にどうこうする様なことはない。 これっぽっちも、不適切なことはしない。 それでも好意のある相手については興味がある。 周りには、そんなこと気がつかせない様に気をつけてるつもりだろうけど、結構態度に出る。 人間だもの。 目は口ほどにって、言うよね。 それなのに、なんで気がつかないの。柊人くん。 それで、なんで気がついたんだろう。俺は。 思い出せないけど。 でも、そうなんだよ。 あの人、俺を通して柊人を見てるって、いつだか解った。 俺には興味ないんだって。 だから、俺が何をどうしたかを聞きたいんじゃなくて、柊人と俺が何をどうしたかが知りたかったんだよ。 「柊人のあーほ」 この呟きは、柊人に届いて無かったのでそのまま消える。 あー、やだやだ。 柊人なんかの事で、思考が一杯になるとか、ホント馬鹿らしいから、考えるのやめよ。 柊人が勘違いに気がつかないまま、高等部寮に向かって黙々と自転車を進める。 自転車って便利ねー。 滅多に乗らないから、徒歩で十数分かかる距離が、あっという間に過ぎて行く様に感心してしまった。 多分、この学園の生徒のほとんどが乗れなそう。乗ろうと思ったことも無いんじゃないだろうか。 振り返ると中等部寮が、ぐんぐん離れて行く。
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