月1の営業の男

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台車に店頭に補充する雑貨を乗せて売場に戻ると、 あの営業の斎藤がアロマランプの陳列を少し変えていた。 「つやちゃん、寒かったでしょ?お疲れさま。それ補充したら先に休憩行っていいわよ?」 「えっ、でも店長のが今日早かったじゃないですか」 「寒いところで作業してたんだから、先にあたたまってきて。ねっ?」 私は女の子に人気のメモ帳や筆記類を補充して、先に休憩に行くことにした。 台車をバックヤードに戻して、エプロンもそこに置いて。 「上田さん、休憩ですか?」 「あ、斎藤さん」 「よろしければ僕もご一緒してもよろしいでしょうか」 腕捲りをしていたカッターシャツの袖を直しながら私に笑顔を向ける ほっそい腕。 細くて長いから、本当ポキッて折れるんじゃないかしら 「上田・・・さん?」 「あぁ、はぁ・・・はいどうぞ」 しまった! つい承諾してしまった
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