優しいのと強引なのと

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「・・・艶子さん」 「ご、ごめんなさいっ!」 嫌いな人とはいえ、商品を壊してしまった しかも・・・その嫌いな営業の 斎藤の会社の商品を。 恥ずかしくて顔が赤くなるのが分かって、見られたくなくて急いでしゃがみ、壊れたグラスを片付けようと手を伸ばした 「あ、怪我しますよっ」 「いたっ」 斎藤の声と同時に慌てて触れたガラスの破片は、私の人差し指にサクッと刺さってしまった ああ、やっちゃった。 慌てすぎだ私 「艶子さん、僕が片付けますからさぁ・・・」 斎藤が自分のハンカチで私の指を両手で包み、バックヤードに行くように促された とぼとぼと歩いていると、店長がほうきとちり取りを持ってきて、斎藤がそれでガラスの破片を片付けていた
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