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「・・・だ、上田?」
「・・・へっ?」
「眉間にシワ。飯くらい美味しく食べろよ」
私の眉間をぐりぐりと押さえるのは、私の彼、村井茂之【むらい しげゆき】。
久しぶりに私の部屋にやって来て、彼が食べたいといっていたハンバーグを小さなダイニングテーブルで向かい合わせになって食べている。
「ごめん」
「仕事でなんかあったのか?上田は無口だからなぁ」
大きな口を開けて頬張る彼に謝りながら私も一口、口に運ぶ。
茂之は、私のことを下の名前では呼ばない。
【艶子?つやこっての!?へぇ・・・変わった名前】
彼はそう言ってから私の名前を下でよぼうとはしない。
私も、父が付けてくれた名前なんだけれど何だか今時の名前ではなくて好きではない。
生まれたとき、艶やかな綺麗な肌をした赤ちゃんだったから。
そんな理由で付けられた【艶子】という名前が、嫌いだ
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