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眠ってしまった彼を横目に、私はそおっとベッドから起きて
キッチンからこの部屋まで転々と落ちている衣類を拾いながらバスルームに向かう。
茂之が着ていたシャツからふわりと香った・・・彼とは違う香水の香り
これは、女物の香水で最近人気のあるもので
うちの店にも置いてある。
会社には女性社員もいるから
自分に言い聞かせたけれど、どうしても拭えない不安感
それを洗い流すためにシャワーで体を流して
彼の衣類を私のにおいに変えるために、洗濯機にほりなげた。
大丈夫
茂之に私は愛されてる。
私も愛してる。
『艶子さん・・・』
突然頭をよぎった斎藤の甘い声に、ドキッとしてしまったけれど、
デートなんて冗談だ。こんな私をからかって何が楽しいんだろう。
ムキになりながら自分に言い聞かせた
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