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私の返事を待たずに私を抱き締めるこの腕は、明らかに茂之とは違って腕も、指までが細くて
細いのに力強くてあたたかい。
「貴女が・・・好きです。僕はいつでも貴女の味方。だから・・・嫌なことや辛いことがあったら、僕を呼んで下さい。貴女の彼氏にはなれなくても・・・きょうみたいに穏やかな気持ちにしてあげることは、出来ます」
自然と私の腕は、彼の背中に回していて
彼のぬくもりと
私にくれた言葉がすうーっと
体に染み込んでいく。
何故か涙が溢れそうになる。
私はそれを必死に唇を噛んで我慢した。
「愛してます・・・艶子さん」
耳元で囁かれた言葉が、私を包む。
それは、茂之からもらったことのない暖かさ。
離したくいって思ってしまう私は・・・どうなっているのだろう
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