さくら、その下で

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―――ゆるゆるゆるり、 そんな呟きを聞いたのはいつだったか、もうわたしは思い出すことは出来ないのでしょう。 ―――ゆるゆるゆるり、 続きがありそうで、ないような。 意味がありそうで、ないような。 ―――ゆるゆるゆるり、 所謂イメージに頼るようで、しかし、なにも伝えてきやしない。 ―――ゆるゆるゆるり、 ―――ゆるゆるゆるり、 ―――ゆるゆるゆるり、 ―――ゆるゆるゆるり、 わたしの前で、そうあの子が呟いたのは、ほんの数回でした。 さくら、その下で。 あの子はなにを思っていたのやら。
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