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――――麻琴と聞いて思わず反応してしまったけど、お母さんの前で封筒を手に取る気にはなれなかった。
彼が愛しいのか憎いのかも分からない。
きっと両方なのだろう。
見ようか、止めようか…
麻琴の持って来たものなんか見たくない!そう言いきるやせ我慢も貫けずに、封筒を開けて中身を見た。
「っ!?何これ…」
中から出てきたのは、書類の束。
「…嘘…嘘でしょ…」一枚捲って次の書類をみる度に驚きの声をあげてしまう。
それらは私の書類だった。でも留学の為の書類は、あの時紙吹雪となって川に落ちて行ったはず。
「どうして…私、麻琴を裏切っちゃったよ…」
ダメだ、麻琴に合わせる顔がない。
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