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「麻琴、さっきの‘今更何の用で呼び出した’
‘あんな別れ方して今頃再会して何になるんだよ’
って本音だよね?
やっぱり私の事を恨んでた…?」
麻琴は数歩後ろで立ち止まっているかんなに気づき、ゆっくりと振り向いて向き合う。
「全く恨んでなかった、と言ったら嘘になる。
でもお前の事よりも、お前の浮気相手の高校生をひたすら憎んでいた」
複雑な感情を慎重に言葉へ置き換えるように、躊躇いながら話す麻琴を食い入るように見つめるかんな。まるで判決を言い渡されるかのような面持ちだ。
「それは責任転嫁だろうな。かんなを恨む前に、自分がお前を酷く追い詰めた事を思い出さなきゃならない。
だったらかんなと高校生がもめて、そいつが全てを狂わせたと思い込む方が楽だからな」
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