第12章

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麻琴とかんなさんをファミレスで再会させて店の外に出た。 うまくいくかな…? 振り返ると‘二人の世界’。 良かった――ふふっと笑顔になる。 胸の奥の奥にほんの1ミリちくりとしたものを感じたけど、意味がわからないので無視した。 『良かったぁ~これで全部うまくいくといいなぁ』 「雫、独り言も声おっきいね」 クスクス笑いのする方を見ると月下の姿。 「ツキ兄っ!」 タックルする勢いでしがみついて見上げると、端正な顔が間近にあった。 なんだか久しぶりな気がする。 『えーと、ツキ兄はどうしてここに?』 「偶然通りかかったら、雫が見えたから。立ち上がって帰るみたいだったから、ちょっとだけ待っててみた。ダメだった?」 笑顔でふるふると首を振った。 『ちょうど帰るとこだったの。ツキ兄も帰るとこ?』 月下は微笑して 「そ、一緒に帰ろっか」と言った。私は大きく頷いた。
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