第12章

3/18
前へ
/681ページ
次へ
「雫、今日来る?最近あんまり会ってないからさ」 お互いの家に近づいた時ツキ兄に誘われた。どうしようかなぁ、明日も平日なんだよね。 「少し喋ってすぐ帰ればいい」 心を見透かしたように、言葉を重ねてくるツキ兄。 「母さんがもらって来たお菓子が余ってるんだよね。雫、ガレットとかマドレーヌ好きだよね。あぁ捨てるの勿体ないなぁ」 『じゃあ、ちょっとだけ行く』 ツキ兄笑ってるよ。 『…別にお菓子に釣られた訳じゃないし』 言い訳すると 「わかってるよ、俺の頼みを聞いてくれるんだろ。じゃあまた後でな」 頭をポンと触って森崎家に入って行った。 ホテルで麻琴と月下が対峙した夜から、月下に対してモヤモヤしたものを抱えていたのだけど。 でもかんなさんの話を聞いて、月下ではなく彪だったという事がわかった。 麻琴が、どうして彪と月下を間違えたかは知らないけど、少なくとも私が彼氏に対して不振を抱く理由はなかったのだ。 やっぱりツキ兄はツキ兄だったんだ。今日は甘えちゃお♪
/681ページ

最初のコメントを投稿しよう!

117人が本棚に入れています
本棚に追加