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「雫、今日来る?最近あんまり会ってないからさ」
お互いの家に近づいた時ツキ兄に誘われた。どうしようかなぁ、明日も平日なんだよね。
「少し喋ってすぐ帰ればいい」
心を見透かしたように、言葉を重ねてくるツキ兄。
「母さんがもらって来たお菓子が余ってるんだよね。雫、ガレットとかマドレーヌ好きだよね。あぁ捨てるの勿体ないなぁ」
『じゃあ、ちょっとだけ行く』
ツキ兄笑ってるよ。
『…別にお菓子に釣られた訳じゃないし』
言い訳すると
「わかってるよ、俺の頼みを聞いてくれるんだろ。じゃあまた後でな」
頭をポンと触って森崎家に入って行った。
ホテルで麻琴と月下が対峙した夜から、月下に対してモヤモヤしたものを抱えていたのだけど。
でもかんなさんの話を聞いて、月下ではなく彪だったという事がわかった。
麻琴が、どうして彪と月下を間違えたかは知らないけど、少なくとも私が彼氏に対して不振を抱く理由はなかったのだ。
やっぱりツキ兄はツキ兄だったんだ。今日は甘えちゃお♪
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