第12章

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[IN 森崎家] バタバタと月下が階段を降りて来ると、 「ちょっとまったぁー!」ドタドタとリビングから母さんが出てきた。 「はい月下」 お菓子の乗ったお皿を渡された。 「何これ」 これから玄関に行って自分の客を出迎える人間の疑問としては当然だろう。 「お菓子だよ。あたしが雫ちゃんを出迎えたいから、月下はお茶を用意してて」 「また、自己チューな…俺の客なんだから俺が出るって。 後で自分でお茶煎れるから、これも向こうに置いておいてよ」 「やだ。じゃあ月下がキッチンに置いてきてよ」 皿を押し付けあっていると、 「しょーがねぇやつらだな、待たせてるんだからさっさとでれば?」 彪が二人の横をすり抜けて、さっさと玄関に向かう。 「「彪ぉーっ!」」 ドスンバタン!彪に飛び掛かったのは月下ではなく、母親の方。愛息の脛を思い切り蹴り上げた。 「%*£@!!!」 脛を押さえてのたうちまわる彪。 「いらっしゃ…あら?雫ちゃん!? やだぁー月下ぁー!雫ちゃんが傷ものにぃー!!」
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