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「しばらく会わないうちにキスも出来なくなったの?
それとも、俺が嫌になるような何かがあった――?」
『そんなんじゃ…』
確かに麻琴との会話を聞いてから、ツキ兄を信じられなくなりそうだった。
でももう誤解は解けた。
彼が今日までの間に‘何か’を感じていたなら払拭しなきゃ。
ゆっくりとカップを口に付けて含むと、月下の肩にそっと両手を置いた。
彼の綺麗な目に吸い寄せられるように顔を近づけると、至近距離でようやく目を閉じてくれた。
それが合図かのようにそっと唇を合わせると、僅かに隙間を空けた彼の唇へ琥珀色の液体を流しこんだ。
注ぎ込む度にコク、コクと飲み込む音がする。
全てを彼に飲ませると、唇を離す間もなく後頭部を押さえられて舌が差し入れられた。
ゆっくりと口内を這い回る感覚に頭の奥が痺れて、何も考えられなくなっていった――
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