第12章

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「しばらく会わないうちにキスも出来なくなったの? それとも、俺が嫌になるような何かがあった――?」 『そんなんじゃ…』 確かに麻琴との会話を聞いてから、ツキ兄を信じられなくなりそうだった。 でももう誤解は解けた。 彼が今日までの間に‘何か’を感じていたなら払拭しなきゃ。 ゆっくりとカップを口に付けて含むと、月下の肩にそっと両手を置いた。 彼の綺麗な目に吸い寄せられるように顔を近づけると、至近距離でようやく目を閉じてくれた。 それが合図かのようにそっと唇を合わせると、僅かに隙間を空けた彼の唇へ琥珀色の液体を流しこんだ。 注ぎ込む度にコク、コクと飲み込む音がする。 全てを彼に飲ませると、唇を離す間もなく後頭部を押さえられて舌が差し入れられた。 ゆっくりと口内を這い回る感覚に頭の奥が痺れて、何も考えられなくなっていった――
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