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オ菓子食ベヨッカ――
どこかでそう声が聞こえた気がして、ゆっくり目を開けると楽しそうなツキ兄が私の顔を覗き込んでいた。
「お菓子食べる?それとも続きする?」
ふぇ?頭がぼんやりしてる。
「トロンとした顔しちゃって。
――もっと蕩けたいの?」
おでこをくっつけてそう囁かれ、じわじわと言葉の意味が染みてきた。
『もう十分なので!食べるし!スイーツ大好き!』
我に返り、慌てて身を引いた。唇まであと1㎝のところでまで来ていた月下がピタリと止まる。
プッ!クックッ…
「そっか残念。じゃあ今度は俺が食べさせてあげよっか」
『いやいや、お手を煩わせる訳には…!1人で食べられますゆえ!』
月下はお腹を抱えて爆笑していた。
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