第12章

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「雫、欠片が付いてるよ」 そう言われて、口元を払われる。 だってお菓子がポロポロするんだもん。照れ隠しに、ふと思い付いた話題を持ち出した。 『さっきのノート、彪はコピー持ってるかな?まだなら私からコピーして渡した方がいいよね』 それを聞いたツキ兄は、すぅっと目を細めた。 「彪?彪の事は気にしなくていいよ。俺は雫に渡したんだから」 彼のその雰囲気に圧されるように、思わず謝ってしまう。 『そっかわかった、余計な事言ってごめんねツキ兄』 ツキ兄がハッとして、バツが悪そうに私を抱きしめた。 「俺こそゴメン。 ただ…何ていうか…他の男の話しなんてしないでほしい、かな」 胸にピッタリくっついてる為くぐもって聞こえる彼の声。他の男、って彼の弟なのに。
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