117人が本棚に入れています
本棚に追加
「雫、欠片が付いてるよ」
そう言われて、口元を払われる。
だってお菓子がポロポロするんだもん。照れ隠しに、ふと思い付いた話題を持ち出した。
『さっきのノート、彪はコピー持ってるかな?まだなら私からコピーして渡した方がいいよね』
それを聞いたツキ兄は、すぅっと目を細めた。
「彪?彪の事は気にしなくていいよ。俺は雫に渡したんだから」
彼のその雰囲気に圧されるように、思わず謝ってしまう。
『そっかわかった、余計な事言ってごめんねツキ兄』
ツキ兄がハッとして、バツが悪そうに私を抱きしめた。
「俺こそゴメン。
ただ…何ていうか…他の男の話しなんてしないでほしい、かな」
胸にピッタリくっついてる為くぐもって聞こえる彼の声。他の男、って彼の弟なのに。
最初のコメントを投稿しよう!