第12章

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数日後の構内で麻琴に会った。正確には向こうが学食に探しに来たのだけど。 「よぉ」 私が友達といるにも関わらず、目の前にどっかりと腰を下ろして真っ直ぐに見つめる。オムライスを口に運ぼうとしていた私は口を開けたまま固まり、スプーンを持った手は空中で静止していた。 我に返りこっそりと友達の顔を窺うと皆私と同じように固まっていた。 パスタを巻いた状態固まっている子はともかく、うどんを啜(すす)る途中で止まっているのは乙女な年頃として、いかがなものか… 『何?私、友達とお昼食べているんだけど』 なぜか小声でそう問えば 「昼飯食ってるのは見て分かってた。話しがあるから来たんだけど」 フリーズしたままの友達は私達の発言の度に、目線だけが行ったり来たりしていた。 居たたまれない…
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