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「ヨリなんか戻してねぇよ。言ってんじゃん、お前が好きなんだ、って」
パチパチと瞬きする。
『だってさっき‘助かった’って』
「あの当時お互い知らなかった事も心残りだった事も、ちゃんと話せて良かったって事だよ。さては雫、ホッとしてんだろ」
『ななな何が!?彼氏いるし!
…って、そうだよ麻琴、ちゃんとツキ兄に謝らなきゃダメだよ。誤解だったのに酷い事言ったんだから』
何その微妙な顔。
「月下にかぁ?
…ま、そのうちな。ところで雫、授業は?」
腕時計は午後の授業が始まっている事を告げている。
『ヤバいっ!麻琴に会うといっつも授業に遅刻するよ、もぅ!じゃあまたね!』
走りながらも鼻歌なんて歌っちゃう。なんとなく自分の機嫌がいいのは、晴れてるからって事にしておこう。
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