第12章

17/18
117人が本棚に入れています
本棚に追加
/681ページ
「ヨリなんか戻してねぇよ。言ってんじゃん、お前が好きなんだ、って」 パチパチと瞬きする。 『だってさっき‘助かった’って』 「あの当時お互い知らなかった事も心残りだった事も、ちゃんと話せて良かったって事だよ。さては雫、ホッとしてんだろ」 『ななな何が!?彼氏いるし! …って、そうだよ麻琴、ちゃんとツキ兄に謝らなきゃダメだよ。誤解だったのに酷い事言ったんだから』 何その微妙な顔。 「月下にかぁ? …ま、そのうちな。ところで雫、授業は?」 腕時計は午後の授業が始まっている事を告げている。 『ヤバいっ!麻琴に会うといっつも授業に遅刻するよ、もぅ!じゃあまたね!』 走りながらも鼻歌なんて歌っちゃう。なんとなく自分の機嫌がいいのは、晴れてるからって事にしておこう。
/681ページ

最初のコメントを投稿しよう!