第13章

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◇◇◇◇◇ 「本当のところは本人に聞いた方がいい」 麻琴は躊躇いながら言葉を続けた。 「俺は月下が彪の名前を騙っていたと考えている。 ――あくまで俺の考えだが」 雫大丈夫か――? 遠くから麻琴の声がする。ようやく涙が枯れた薄暮までの長い間、麻琴にそっと優しく抱きしめられていたのだった。 ― ―― ――― 「雫、そろそろ送って行くよ。ここに居たいなら俺は構わないけど?」 私を包んでくれる温もりがあまりに心地良くて、今の状況を忘れていた。 『や…うそっ!?もうこんな時間!? 授業…あっ、麻琴は時間大丈夫っ!?』 慌てて離れた拍子にデスクに激突して『~~~~~~!!』 悶えた。 暗くて部屋の様子がわかりづらかったのだ。 「怪我してないか? 送ってやるからこれ以上怪我すんなよ、明日彪と予定があるんだろ」 彪に怒られちまう。 そう言って私の頬をつまんだ。
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