第13章

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麻琴は例によって家の手前でバイクのエンジンを止めた。バイクを牽く麻琴と雫は並んで歩く。 『麻琴今日は、じゃなくて今日も?ありがとう。 ツキ兄…月下と話してみる。もしかしたら全て勘違いかもしれないもんね』 自分に言い聞かせるように、自分の言葉に頷いた。 『ちゃんと聞くまではわからないよね――?』 「…だな。世の中何があるかはわかんねぇもんな」 ◇◇◇◇◇ 雫にそんな顔されたら、そう言ってやるしかないだろう。雫は案の定ホッとしたように少し笑顔になった。 ― ―― それは昼過ぎにかかってきた電話から始まった。 ~~♪♪ かかってきたのは昔からの友達だ。飲み会の連絡以外で電話なんて珍しい。 「うぉーい、どーした?」 〈麻琴、オマエかんなと会った?今かんなからオマエの連絡先教えてって電話が来てさぁ。 躊躇ってたら、一度会って話したから大丈夫だって言うんだけど、マジ?〉 確かに会ったが、何の用だ? 「あぁ確かに会ったけど、何の用か言ってた?」 〈あぁ、えーと確か…なんとかちゃんが血相変えて麻琴んとこ向かったって〉 なんとかちゃん…? まさか 「雫!?」 〈あ~そう、それかも〉 「俺の番号…いや、俺がかんなに掛ける!番号教えろ!」 ―――「もしもしかんな?俺、麻琴。なんで森崎の話を?」 〈雫ちゃんに、彪くん今は髪の毛黒いよねって言ったら慌てて‘麻琴に確かめる’って〉
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