第1章

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「じゃあどっちも帰っていいよ。どっちかなんて選べないから、残念だけど諦めるよ。 ああ、それとあんまり騒ぐと近所の人に警察呼ばれちゃうから気をつけて。たまにあるんだよね。 じゃあね」 一気にしゃべり終えるとさっさと電源を切ってベッドに放りなげ、ゴロンと寝転がった。 隣家から悪態が聞こえる 「ふざけんな!出て来なさいよ!」 「バカ!ヤリチン!最低!地獄に堕ちろ!」 ――やがて静かになった いつもながら何とも教育上よろしくない単語のオンパレード。 肝心の幼なじみは、両手を仰向けの頭の下にして静かに眼を閉じている。 長い睫毛が羨ましい。 『ねぇ、良かったの?帰っちゃったよ』 「いいよ、俺が帰らせたんだし。それにアイツらBランクだし」 そうでした。こいつは女の子をABCのランク分けしてるんだった。 私は大きなため息を吐いた。 『彪(ひょう)サイテー』
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