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「なんか紗枝疲れてる?」
着替えを入れ替えていた
私の背中に孝之が声を掛けた。
「うん?そうでもないよ?
どうして?」
とぼけて答えた私に
孝之はクスッと小さく笑うと
天井を見つめながら
ポツリと呟く。
「目が真っ赤。
寝不足?それとも泣いてた?」
その言葉に思わずピクリと
私の肩が揺れてしまった。
「…どうやら後の方か」
「違うよ…寝不足…かな?」
「……そう。
ああ、あとね伊吹先生の
体調が良くないらしくて
しばらく俺の主治医が
後藤先生に変わるそうだよ」
…孝之が見れなかった。
彼は今、どんな思いで
私に聖の話をしているのか
目の当たりに見るのが
辛すぎて。
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