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孝之の着替えを車に置いて
急いで私は病院へ戻り
透析室へと足を向けた。
物静かな外来の待合室を抜け
案内板を見ながら辿り着いた
透析室の前でひとつ深呼吸。
聖の意識はあるのだろうか?
覚悟を決めて
ドアをノックすると
ゆっくりと扉が開かれて。
そこには年配の看護師さんが
驚いた表情で私を見つめていた。
「外来ですか?」
「いえ…あの…伊吹聖が
こちらで透析を受けている
はずなんですが…」
おずおずと答えた私を
しばし見つめていたその
看護師さんはニコリと笑みを
見せると「どうぞ」と
言いながら中に入れてくれた。
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