愛のゆくえ

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「師長の染谷です。 松田先生は今 伊吹先生の移植について 他の先生と打ち合わせに 行ってるんですよ」 そう言いながら染谷師長が カーテンで仕切られた ベッドの手前で足を止める。 「伊吹先生は尿毒症による 貧血で倒れました。 今はまだ眠っていますが 明日まで24時間体制で 透析を行います。 時折けいれんや 嘔吐するかもしれませんので その時はすぐに声を 掛けてください」 「わかりました」 頷いた私の目をじっと 見つめた染谷師長は 静かに頷くと 閉じられていたカーテンを ゆっくりと開けた。
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