愛のゆくえ

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真っ白いベッドに横たわった 聖の顔は黄褐色に変色していて 思わず嗚咽が漏れそうになり 口を手で塞いで堪える。 「とても危険な状態です。 どうか…伊吹先生の手を 握ってあげていて下さい」 ベッドの脇に 椅子を用意してくれた 染谷師長に頭を下げて 私は彼の傍に腰かけた。 機材が繋がれていない方の手を 両手で握りしめた私の姿に 染谷師長はそっとカーテンを 閉め二人だけにしてくれる。 きっと染谷師長は 松田先生から私と聖の関係を 聞かされているのだろう。 だけど… あの屋上で抱きしめられてから 一度も触れていなかった 彼の手が無性に冷たくて…。 思わず握りしめた手に おでこをつけて必死に祈る。 聖…死なないで。
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