愛のゆくえ

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とその時、 カーテンが開いて 深刻な表情の松田先生が 戻って来た。 聖の手を握りしめている 私を見て松田先生は ふっと小さく笑うと 椅子を持って来て 隣に腰かけ口を開いた。 「紗枝ちゃん、 もしも聖がこれを乗り越えても さすがにもう移植を受けないと 聖が医者を続けるのは 不可能だと思う。 後藤先生とも色々と 話し合って来たんだけど これからの伊吹総合病院には やっぱりどうしても聖が 必要なんだよね」 それは当然の事だと思う。 彼ほど優秀な外科医を 失う事がどれほどのダメージなのか 素人の私にも痛いくらいわかる。
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