2105人が本棚に入れています
本棚に追加
とその時、
カーテンが開いて
深刻な表情の松田先生が
戻って来た。
聖の手を握りしめている
私を見て松田先生は
ふっと小さく笑うと
椅子を持って来て
隣に腰かけ口を開いた。
「紗枝ちゃん、
もしも聖がこれを乗り越えても
さすがにもう移植を受けないと
聖が医者を続けるのは
不可能だと思う。
後藤先生とも色々と
話し合って来たんだけど
これからの伊吹総合病院には
やっぱりどうしても聖が
必要なんだよね」
それは当然の事だと思う。
彼ほど優秀な外科医を
失う事がどれほどのダメージなのか
素人の私にも痛いくらいわかる。
最初のコメントを投稿しよう!