2105人が本棚に入れています
本棚に追加
「だから…
聖が目を覚ましたら
紗枝ちゃんが説得して
くれないだろうか。
お腹にいるかもしれない
子供のためにも、
もう意地を張らずに今すぐ
移植を受けてくれって…」
そう言って、
申し訳なさそうに頭を下げた
松田先生に、私はもう
断る事なんて出来なかった。
それで聖が今すぐ
移植を受けてくれるなら
私はどんな嘘だってつく。
「もちろんそのつもりです。
だけど松田先生…
私のお腹に赤ちゃんが
いない事は…
悴田さんも知っています」
「えっ…?」
「だから…悴田さんに
口止めだけお願いします。
さすがに私からはそれを
お願い出来ないので…」
私の言葉に松田先生は
戸惑いつつも頷いてくれた。
最初のコメントを投稿しよう!