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「悴田の件は承知した。
明日の昼まで透析続けるから
紗枝ちゃんの仮眠用ベッドを
後で染谷師長が
持って来てくれるから」
「ありがとうございます…。
あの…松田先生…
聖は…目を覚ますんですよね?」
どうしても拭い切れない不安を
思わず口にしてしまう。
「大丈夫。
きっと聖は目を覚ましてくれる」
けれどそれ以上を
語ろうとしない松田先生。
かなり彼が危険な状態で
ある事には変わりなさそうだ。
「聖に聞こえるように
紗枝ちゃん、
聖に呼びかけてあげて」
松田先生が掛けてくれた言葉に
私はコクリと頷いて
聖の耳元で何度も何度も
彼の名前を呼びかけた。
きっと彼は目覚めてくれると
信じて…。
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