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けれどその予感は
間違っていなかった。
「紗枝ちゃん、
聖が…倒れた」
「えっ…?」
「かなり危険な状況だ。
今24時間の透析を
行っているけど
これで持ち直してくれないと
…厳しいかもしれない」
…そんな…。
一気に身体中の血液が
止まってしまったかのように
崩れ落ちそうになった私を
松田先生が慌てて支える。
神様…聖を死なせないで。
まだ私はこの思いを
彼に伝えていないのに。
たとえこのお腹に
あなたの子供がいなくても
…私を愛してくれますか、と。
彼に確かめたいのに。
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