2105人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
「それは違う…。
たぶん…私のお腹の中に
いるかもしれない子供が
聖にとって生きる
希望だったはずです」
「紗枝ちゃん…?」
「でも…
私のお腹に聖の子供は
いないんです」
泣きながら言った言葉に
松田先生の眉が
斜めに下がって行く。
「だからそれを…
彼に確かめたかった…。
子供がいなくても…
それでも私を求めてくれるのか
彼に聞こうと思っていました」
泣きながら言った私に
松田先生の表情が
曇ってしまった。
「…それ…本当に月経?」
「……………」
「いや…俺の実家って
小さな産婦人科病院でさ…
時々妊娠してても
不正出血みたいなのあるって
聞いた事あるし…」
最初のコメントを投稿しよう!