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確かに薄紅のしるしは
あったけれどまだ
大量の出血がある訳じゃない。
戸惑っていた私に
松田先生は言った。
「紗枝ちゃん、今はまだ
聖にその事を話さないで
くれないか？」
「……………」
「紗枝ちゃんが言うように
聖の生きる望みが
紗枝ちゃんではなく
紗枝ちゃんの腹の中に
いるかもしれない
子供だったとしても…
今の聖が持ちこたえるには
本人が生きたいという
強い意思を持っていなければ
24時間の透析を受けても
厳しいかもしれない」
…何も言えなかった。
松田先生は誰よりも
聖に生きて欲しいと
願って来た人だから。
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