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――ピリリリリ 資料室に無機質な携帯の音が響いた。 勿論鳴ったのは、俺のではなく、彼女のものだ。 着信音のチョイスがマッチしすぎていて、クスッと笑みを漏らしてしまった。 すると、彼女に睨まれた、ような気がした。 「失礼します」 彼女は、スッと頭を下げると電話に出る為部屋を出て行った。 仕方がないので、一人で作業を進めることにする。 2、3件めぼしいものが見つかった頃には、彼女が部屋を出ていって30分ほどが経っていた。 さすがに遅いと思ったので、彼女を探しに行こうと扉に手をかけた。 すると、彼女が悪口を言われている場面に再び遭遇した。 しかも、今回も彼女はその場にいた。
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