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「今ちょうどイメージに近いデザインを見つけた所です」 「良かったです」 と彼女は微笑んだ。 ――さっき、悪口を言われていたようには見えない爽やかさで。 何でこんなに自然なんだ。 むしろ、不自然すぎる勢いで自然な振る舞いだ。 以前といい、今日といい。彼女の行動にますます彼女が分からなくなった。 「あの」 彼女が顔をのぞきこんでくる。 「はい」 「デザイン。見せていただいてもいいですか?」 「あ、あぁ。そうですね、……これなんですけど」 慌てて頭を仕事モードに切り替える。 危ない、危ない。 危うく思考が彼女で一杯になるところだった。 彼女のことで頭が一杯……? まるで、彼女が気になっているみたいではないか。 そんなわけがない。 断じて違う。 …………はずだ。 またも彼女のことを考えていた自分の頭を恨めしく思い、今度こそ思考を仕事に切り替えた。
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