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「佐々木千歳って調子乗ってるよねー」 「本当。仕事できるからって」 「今時流行らないわよ、泣きもしない鉄の女なんて」 「全くよ。だから男の影もないんじゃない」 ――イマ、ナンテイッタ? 出先から戻ってきたのであろう2人の女性社員が、聞こえよしがに佐々木千歳の悪口を言って、横を通りすぎていったのだ。 これには驚いた、を超えて呆気にとられた。 いい年した社会人が、しかも見たところ彼女より年上の人間がするようなことではない。 お前らは中学生か。 彼女の様子が気になり、俺は彼女の様子を伺った。 しかし、彼女は予想に反して全くもって普通であった。 ――あれ、……聞こえてたよな……?
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