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「ん、お帰り、菊池。ソルはどうだった?」
会社に着くなり、そう尋ねてきたコイツは、同期入社の高橋幸弘<タカハシ ユキヒロ>だ。
同じ課に勤めていることもあり、同期では一番親しい。
「あぁ。中々仕事はできそうな女だったよ」
「女?」
「うん。"鉄の女"って言われてたな」
――ブハッ
高橋が吹き出した。
汚い。
顔をしかめて奴を睨み付ける。
「悪い。つい、な。だって、鉄の女って何だそりゃ」
「うん。俺もそう思ったんだけど、まぁ分かる気がする」
「ふーん。」
「何だよ、その意味深な相づちは」
「別に?」
――ただ、お前が女を評価するのが珍しいと思っただけ。教えてやんないけどな。
俺は気に食わない顔をし、高橋の隣のデスクに座った。
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