203号室の赤ちゃん

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 地球で暮らしていると、ゴミの分別という面倒な作業をしなければならない。  ルケルケ・7・トーは、しかしもう五年もここへ住んでいるので慣れてはいたが、それでもかなり面倒な作業ではあった。  可燃物、不燃物、資源ゴミ(ビン、缶、ペットボトル、再生紙)、危険物ゴミ、粗大ゴミ等……。住民みんながこれをやっているのだが、どうして回収先で自動的に分別する仕組みができていないのかと不思議だった。  今日は、可燃物ゴミの日である。朝八時半ぐらいに回収車がやってくるので、それまでに決められた場所に自治体指定のゴミ袋に入れて出さなければならない。前の日の夜出すのは御法度である。ルールが多い。  エレベーターがないので、ゴミ袋を抱えて四階から一階まで階段を下りる。  3日前の節分に、大量の恵方巻きを食べたので、そのとき出たゴミがけっこう多く、かさ高い。ちなみに「縁起がよい」という風習をルケルケ・7・トーはあまり理解していない。形から入るタイプなのであった。
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