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旅館を出られた、サトリ様を探すのは、それ程、困難な事、
従業員を総出で山を探しても、何日何月、或いは、何年掛かってしまうか、私にも判りません。
なので、
「悟様を探す、何か良い妙案はありませんか?」
従業員に案を募れば、
「必要だと判れば、自ら旅館に戻るのでは?」
「戻って来なければ貸傘にするのも一興」
「古いので、新しい物を見繕うので無かろうか?」
皆が皆…、
自由気儘で奔放な事を口にするので、私はどうしたものかと困り果てたので御座いますが、
悟様に、傘をお忘れに為る程の事由があるなら、それは、傘がその理由に付いて、何か知っているのかも知れません。
愛着が籠もった傘ならば、記憶も、サトリ様と共有している物かと思われ、
九十九神が宿れば、傘は私共と会話が出来、お忘れになられる迄の出来事を聞き出せるかも知れません。
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