第2話 《さぁ、異世界だ》

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「そうめんどくさそうな面すんな。直ぐに終わる」 「何?」 「今からある帝の定例会に一緒に来て貰う」 え、やだ、面倒くさい。てか、アリサ帝だったの?嘘、こんな猫被り女が? 「これ着ろ。そんで顔が見えないようにフードを深く被れ」 「拒否権は?」 「もし断ったらお前に依頼書は渡さずに延々とこき使う」 あれ?アリサってギルマスより権力あるのか? そんな事を思いながら俺はアリサの手を握る 「ひやぁっ!な、なにすんだ!!」 何故か急に怒鳴るアリサ 「いや、転移すんだろ?」 「あ……あぁ、そうだな転移するんだったな。あと、女体化しとけ」 定例会会場に転移すると既に帝であろう人達がローブと同じ色の席に座っていた 「『氷焔の総帝』……やっときたか」 黄色のローブを着た男が呆れたような声を上げる 「雷帝、その名で呼ばないでと何度言えば分かるんです?」 ――ゾクッ! あれ?何か一瞬だけ悪寒がしたぞ? 「悪かったって、だから機嫌直して定例会を始めてくれ」 「別に悪くありませんっ」 とあからさまに不機嫌だとアピールするアリサ。うん、コイツはキツい。定例会が終わるまで笑いを我慢できるか心配だ 「それで今回の議題は勇者陽斗さんの帝就任試験ですか?」
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