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次の瞬間、僕の中から君を愛する気持ちが消えた。
代わりに、溢れそうな程の憎しみが沸き上がってきた。
殺してやる…!
「柊!ちょっと待て!」
僕はダッシュで君に追いつき、その肩を掴んだ。
「いやぁっ来ないでストーカー!いやぁああぁあ!!」
狂ったように泣き叫ぶ君。
その姿が僕の瞳に愛らしく映った。
やっぱり僕は君が好きだ…!
「僕の世界には君だけいればいい…君もそうだろう?」
「いや…っそんなのいや…!」
イヤイヤと激しく左右に首を振る君。
僕は構わず言葉を続けた。
「これからいこう、違う世界に…。怖がらなくても大丈夫だ。僕もすぐに後を追うから…」
「いやぁああ…!」
恐怖に怯える君がたまらなく愛おしい。
僕は君の喉にカッターを突き刺し、切り裂いた。
真紅の鮮血が飛び散る。
僕の口元には自然と笑みが零れていた。
「…愛してるよ、柊…いや、沙羅…。
最期の最後までとても綺麗だ…。
あははははっ今の君はもう喋れないんだったね…。
ひとりは寂しいだろう?
…安心しろ、僕も今から君のいる世界に逝くから…」
僕は自分の手で、自ら喉を切り裂いた。
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