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「あの娘を殺せば…一生僕の…もの…」
学校に向かう途中、僕は呟いた。
僕は普段カッターくらいしか刃物を持ち歩かない。
これで人が殺せるわけ…………ある。
この時はもう既に、僕の脳は正常な判断が出来なくなっていた。
僕は鞄から筆箱を取り出し、
その中に入っているカッターを取り出し、
いつでも使えるように、ブレザーの内ポケットに仕舞った。
しばらく歩くと、見慣れた後ろ姿が視界に入った。
僕の最愛の君…柊沙羅が、そこにいる。
僕はできるだけ愛想よく微笑みながら、君に近づいた。
「おはよう、柊」
「…ひ…っ」
なんだか様子がおかしい。
「あ…あ…こ…来ないで…」
まるで狼を前にした小羊のような態度だ。
…どうしたんだ?
「何をそんなに怯えてるんだい?」
僕が優しく笑いかけると、君は小さな声で言った。
「…ス……トーカ…」
「え?」
君は怯えた瞳で叫んだ。
「ストーカー!近寄らないで!!」
君は僕から逃げるように走り去っていった。
「ストーカー…だと…?」
ストーカーとは心外な。
僕は君のことを心から愛しているだけなのに…!
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