初恋

2/3
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
「ごめん。お前以外に好きな娘ができた。…別れてくれ」 「…そんな…」 …あれから1週間が経った。 心の中から溢れそうなほど、君に貰った愛はどこにすてればいいの? 思い切って髪型を変えた想いを断ち切りたいのに、君に貰ったこのリングが消させてくれない。 2人の想い出のリング…指にはめようとして、やめた。 今の私にはあまりにも辛すぎるから…。 「もっと…ちゃんと素直になればよかったのかな…?」 学校へと急ぎ足で向かいながら呟いてみる。 …でも…私だけを見てほしいなんて、素直に言えるわけもない。 不意に、後ろから声をかけられた。 「撫子!まーだ天城くんのコト引きずってるの?」 「メグ…」 メグは私の親友。 いつも相談に乗ってくれる私の良き理解者だ。 「忘れちゃいなってあんな奴!撫子という彼女がいながら他の女好きになったんだよ?最低じゃん」 「…うん…」 もう恋なんてできない。 だって今でも君が好きだから。 「でも…」 「でも?」 私は大きく息を吸って言った。 「今も好き、守のこと…。 もしも愛がカタチに表せるとしたら、私のこの両手から零れそうなくらい。 この愛を誰かに譲ることなんてできない。 …だから…待つの」 メグは驚いた顔をした。 「待つ…?って、天城くんが撫子のところに戻ってくるのを?」 私は頷いた。 「まぁ…撫子がそうしたいならいいけど、あたしだったら別の新しい恋探すな」 「…そう。でも、私は守じゃなきゃダメだから…」
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!