初恋

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「ごめん。お前以外に好きな娘ができた。…別れてくれ」 「…そんな…」 …あれから1週間が経った。 心の中から溢れそうなほど、君に貰った愛はどこにすてればいいの? 思い切って髪型を変えた想いを断ち切りたいのに、君に貰ったこのリングが消させてくれない。 2人の想い出のリング…指にはめようとして、やめた。 今の私にはあまりにも辛すぎるから…。 「もっと…ちゃんと素直になればよかったのかな…?」 学校へと急ぎ足で向かいながら呟いてみる。 …でも…私だけを見てほしいなんて、素直に言えるわけもない。 不意に、後ろから声をかけられた。 「撫子!まーだ天城くんのコト引きずってるの?」 「メグ…」 メグは私の親友。 いつも相談に乗ってくれる私の良き理解者だ。 「忘れちゃいなってあんな奴!撫子という彼女がいながら他の女好きになったんだよ?最低じゃん」 「…うん…」 もう恋なんてできない。 だって今でも君が好きだから。 「でも…」 「でも?」 私は大きく息を吸って言った。 「今も好き、守のこと…。 もしも愛がカタチに表せるとしたら、私のこの両手から零れそうなくらい。 この愛を誰かに譲ることなんてできない。 …だから…待つの」 メグは驚いた顔をした。 「待つ…?って、天城くんが撫子のところに戻ってくるのを?」 私は頷いた。 「まぁ…撫子がそうしたいならいいけど、あたしだったら別の新しい恋探すな」 「…そう。でも、私は守じゃなきゃダメだから…」
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