運命の日 #2

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それにしても不思議な娘だった。仲良くしていた同じマンションの中学生の娘がコンサートに行きたいと相談してきた 販売即売り切れのコンサートのチケットなど取れるはずもない 「頼んで見るけど、期待しないでね」 そう言ってどこかに電話をかける 「あのね、チケットは無理だったけど、ステージの横でもいい?」 いわゆるバックステージパスって奴だ 「茜、お前誰に頼んだの?」 「う~ん、偶々知り合いだったから本人に頼んだよ。ラッキーだね」 結構知り合い多いんだ、そう話す 「何で知り合いなの?」 「良いじゃないのそんな事」 笑って誤魔化された。短大の二年間東京にいた事は知っていた。アルバイトは銀座のクラブだと聞いた事はある 「タレントにならないか?」 そんな誘いは毎日だったとか 「それでね、タレントさんとか連れてスカウトに来るんだよ」 どうしてこんな娘がそばに居て、私は満足できないのだろう
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