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それにしても不思議な娘だった。仲良くしていた同じマンションの中学生の娘がコンサートに行きたいと相談してきた
販売即売り切れのコンサートのチケットなど取れるはずもない
「頼んで見るけど、期待しないでね」
そう言ってどこかに電話をかける
「あのね、チケットは無理だったけど、ステージの横でもいい?」
いわゆるバックステージパスって奴だ
「茜、お前誰に頼んだの?」
「う~ん、偶々知り合いだったから本人に頼んだよ。ラッキーだね」
結構知り合い多いんだ、そう話す
「何で知り合いなの?」
「良いじゃないのそんな事」
笑って誤魔化された。短大の二年間東京にいた事は知っていた。アルバイトは銀座のクラブだと聞いた事はある
「タレントにならないか?」
そんな誘いは毎日だったとか
「それでね、タレントさんとか連れてスカウトに来るんだよ」
どうしてこんな娘がそばに居て、私は満足できないのだろう
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